2010年10月8日金曜日

医食同源(薬膳) medical treatment and  eat 

今回は少し、「医食同源」についてお話しましょう。
医食同源(いしょくどうげん)とは、日頃からbalanceの取れた美味しい食事をとることでsicknessをpreventionし、treatmentしようとする考え方。
 
日本での造語!?
 
意外に思われるかも知れないが「医食同源」という言葉は古代中国で生まれたものではない。1970年代に入って、栄養第一主義の欧米食文化への反省や日中国交回復を機にした中国文化の再認識の中から、中国式食養生が日本でBOOMになった。このとき使われた言葉が「薬食同源」や「医食同源」で日本での造語なんだそうですよ?!
なんでも、古代中国では医師を4つのRANKに分けた。周王朝の制度週間を述べた《周来》によれば、最高位の医師は「食医」、すなわち王の食事の調理・管理を任されていたそうで、食医に次ぐランクは「疾医」で今の内科医系医師。次は「瘍医」で今の外科系医師。ともに食事が治療の重要な位置を占めていた。4番目のランクは獣医であったそうです。
古代中国では「DRUG」としての「FOOD」の重要性が古くから指摘されており、その意味で「医」や「薬」が食と「同源」という思想は言葉こそなくとも中国医学の根幹をなすものであったことは事実であったそうです。
 
JAPANESEpacked lunch AND Japanesecooking
 
日本の弁当の薬膳効果を考えると、日本の代表的な弁当『竹の皮に包んだ梅干し入り握り飯』は逸品です。
[竹やササの葉」は、サリチル酸成分が雑菌の繁殖を抑え、防腐・殺菌に役立ち、ご飯のむれと乾燥を防ぎ、脱臭にも効果があります。[ハラン]のフィトンチッド成分、[BEEFSTEAK PLANT]のペリラアルデヒド成分は殺菌効果大です。食中毒予防には、弁当箱の底に「かい敷き」として、竹・ササの葉、ハラン、大葉シソなどを使いましょう。
[PLUM PICKLES]の酸味クエン酸は、特に殺菌力が強く、ご飯の腐敗、食あたり、下痢には効果があり、体の乳酸を分解し、疲労回復に効く。梅のピルビン酸は肝機能を助け、悪酔い・二日酔いに効果があります。
[GINGER]と鶏肉の細切りを油でいためると、ショウガの辛味成分ジンゲロンが食あたり・下痢を防ぎ、血液の循環を良くし、胃腸など内臓全体を活発にさせて食欲・発汗・新陳代謝を促します。
 
さて、刺身包丁と出刃包丁は日本独特の片刃。西洋と中国の包丁は両刃です。片刃包丁は魚をおろし、刺身を作るのに便利ですが、両刃では苦労します。西洋と中国の魚料理にぶつ切りが多いのと対照的に、海の幸に恵まれた日本人は船盛りや大漁盛り、握りずしなど繊細で美しい魚料理を完成させました。
日本料理は『引き算』、中国料理は『寄せ算・足し算』と言われ、日本の板前さんの多くは魚の皮・血合い・中骨を惜しげもなく捨てますが、薬膳では皮と血合いを大切にします。必須アミノ酸・ビタミン類・鉄分・カルシウムが多いので塩焼きや湯引き、炒め物など工夫して食べましょう。近頃は背の青いイワシ・サバ・サンマなど『光りもの』が注目されています。中国薬膳は「青い魚は体を温め、脾を助ける」と教えています。青い魚の油脂はEPA・DHAを含み血の粘りを取り除き、心臓や脳血管の病気を予防します。酸化が早く、臭みがあるのが難点ですが、新鮮な魚を入手すれば大丈夫。 gingerや酢・梅干し・レモン・大根おろし・シソの葉・みそなどで調理するのがベターです。
ヒマワリ・紅花・月見草などの植物油はコレステロールを下げ、healthy だとされていますが、名古屋市立大学の奥山治美教授はそういった考え方を『間違い栄養学』と指摘しました。動物・植物の油脂はほどほどにして、青い魚や緑野菜・根菜・海藻・シソ・エゴマを忘れずに食べるのが21世紀の薬膳とされているそうです
 
薬喰
 
歳時記に「薬喰」という冬の季語がある。季節に関係なく身によいものを食べるという意味と、寒中に滋養になる獣肉や魚肉を食べるという意味があり、『図説俳句大歳時記』(角川書店)の解説には“昔、仏教の殺生戒や神の使わしめた信仰により、獣肉を食うことを悪とみなしたが、寒の中に限ってシカ・イノシシなどの肉を食べて”身の養いにしたとある。今流行のおためごかしの薬膳料理とは似て非なるものだ。
ある談笑の座で、同席していた友人がこの季語について私が話すのを聞いて、“クスリグイとは、薬を食うという字を書くのね”と、初めて知ったようにうなずいていたのを思い出す。彼女によれば、子供のころ、冬になると、父親がクスリグイだと言うて、牡丹鍋を食べに連れて行ってくれた。その意味が、やっとつかめたという。友人が80歳過ぎだから、その親となると明治も中頃の生まれか。そう遠くない時代まで、薬喰という言葉が家庭の会話の中で生きていたのだ。

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