2010年10月10日日曜日

医食同源series (そば buckwheat noodles)

日本人の死亡原因の多くを占めるのが、がん、Heart Disease、Cerebrovasucular Diseaseです。このうち心臓疾患と脳血管疾患はHight Blood Pressureが深く関与しています。buckwheat noodlesには高血圧を予防する成分が含まれていますし、Cancerを予防する成分も見つかっています。buckwheat noodlesの健康効果について紹介します。


【そばの栄養成分の特徴】
そばの栄養成分の特徴のひとつは、良質のProteinを含むことです。たんぱく質の良し悪しは構成するアミノ酸によって決まります。アミノ酸の中でもリジンは、穀類では一般に少ないのですが、そばには多くの Lysineが含まれています。そのためアミノ酸スコアはMilkを100とすると、そばは92 にもなります。また食塩排泄の役割をしているPotassiumが多く含まれています。さらに、亜鉛も豊富に含まれています。日本人に最近、味覚障害が増えているといわれていますが、原因は亜鉛欠乏だといわれています。そして荒れた胃壁を修復するビタミンであるNiacinも多く含まれています。
このように栄養成分が豊富な理由は、そばの実の形にあります。米や麦の胚芽は外側にあって、えぐみがあり捨てられてしまいますが、そばは胚芽に相当する子葉が実の中央にあるため、栄養成分が豊富な胚芽の部分も、含まれることになるわけです。
【そばの抗酸化作用】
そばには赤ワインやチョコレート・ココアでおなじみのPolyphenol が多く含まれています。ポリフェノールには活性酸素を防ぐ抗酸化作用があるといわれています。私たちは一生の間に1.7tonの油を食べ、18tonの酸素を吸っています。脂と酸素によって、私たちの体内には過酸化脂質ができるのですが、過酸化脂質はがんや老化、Allergy の原因になるといわれています。また紫外線は、過酸化脂質ができるのを助けてしまうことがわかっています。そこで紫外線から身を守るために、人間は建物の中に入ったり、日傘をさしたり、お化粧をしたりします。一方、植物の場合は、残念ながら動けないので、防御物質を日傘として身を守っているわけです。その役割をしているのが抗酸化物質・ポリフェノールなのです。それを人間が食べることによって、健康を守っているわけです。
そばの中には多くのポリフェノールが入っていて、様々な健康効果を持っています。中でもRutinという成分が非常に多く含まれていますが、これが健康成分の中心と考えられています。ルチンはビタミンCと一緒になって、毛細血管を強くして、脳血管障害を防ぎます。ほかに、レトロウイルス(エイズウイルス)に対する効果も実験で確かめられています。さらにルチンは、血圧や、血糖を下げるなどの作用が確かめられています。

【血圧降下作用】
高血圧の原因には塩分や、脂肪の過剰摂取のほか、血圧調節作用の異常によって血圧が上がるという現象があります。Liverの中にあるたんぱく質がアンジオテンシンIに変わり、アンジオテンシンI変換酵素によって、アンジオテンシンIIに変わります。このアンジオテンシンIIは、非常に強い血圧上昇作用があります。これが血圧上昇のMechanismです。一方、血圧を下降させる仕組みは、肝臓で作られるたんぱくであるブラジキニノーゲンが、キニナーゼIという酵素によって分解され、ブラジキニンという非常に強い血圧降下物質が生成され、これがさらにキニナーゼIIによって分解されることによります。実は、アンジオテンシンI変換酵素と、キニナーゼIIは同じ物質ということがわかりました。つまり、アンジオテンシンI変換酵素=キニナーゼIIを抑えれば、血圧上昇作用はなくなるし、血圧降下作用を示す物質がたまりますから、血圧が下がることになります。アンジオテンシンI 変換酵素=キニナーゼIIを抑える物質として、そばが非常に有効だったのです。同じような働きは他の食品にもあります。600種類くらいの食品を調べたものを見ると、中でもそばは非常に強い働きがあるようです。
ところでそばが血圧を下げるといっても、そばつゆには塩分が含まれています。ですから塩分を控えるように医師から指示されている方は、そばつゆをすべて飲み干すようなことは控えた方がよいと思います。
【血液サラサラ効果】
そばを食べる前後で血液のサラサラ度が、どのように変化をするのかを調べたものをみると、 37歳と58歳の男性2人にダッタンそばという、Rutinが通常のそばよりも8倍以上含まれているそばを食べてもらい、血液の変化をみてみました。その結果、もともと血液がサラサラだった37歳の男性では、若干、血液の流れが速くなりました。一方、血液がドロドロだった58歳の男性では、そばを食べた1時間後、血液がサラサラになっていたそうです。
さらに多くの方を対象に行った実験結果を示します。ボランティア8人に、そばを食べさせたところ、いずれも血液がサラサラになることが報告されていました。ドロドロの血液は高血圧や脳血管障害、心臓病の原因にもなります。そこで、医師と協力して、いろいろな病気の患者さんの血液を調べてみると、その結果、例えば脂肪肝や高トリグリセライド血症、糖尿病の患者さんでは、いずれも正常の画像に比べて血液がドロドロであることが判明したそうです。
【そばのOnePoint健康情報】
白いそばと黒いそばとでは、栄養成分にもそれぞれ特徴があります。内層粉で作ったそばは白いそばになり、更科そば、御前そばと呼ばれています。一方、外層粉で作ったそばは黒いそばになり、田舎そば、藪そばといわれています。白いそばは小麦が多く入っているそばだと思われる方がいますが、本来、白いそばというのは内層粉から作った更科そばのことなのです。成分をみると、血圧を下げる成分は内層粉に比較的多く含まれていて、日傘効果を持つRutinは外層粉に含まれています。
そば湯には栄養が溶け込んでいるから飲んだほうがよいなどといいますが、調べてみると、そば湯に溶けたルチンは10%程度で、ケルセチンはもっと少ないということが判明し、塩分の問もありますから、そば湯を無理に飲まなくてもよいと思います。お酒を飲んだ後にそばがいいともいわれます。昔、そば屋さんは居酒屋さんを兼ねていたようです。お酒のことを「そば前」と呼んだのです。今はお酒を飲み終わるとラーメンで締めようという方が多いようですが、昔はそばで締めていたようです。そうすると、先ほども説明しましたが、良質のたんぱく質と修復用のビタミン(ナイアシン)の作用で、荒れた胃も治るのではないかと考えられます。
日本人は本来、多くの食素材を持っています。欧米人は2000種類、アジア人は10000種類、そして日本人は12000種類といわれています。日本人が長寿なのは、こうした食素材の豊富さにあると考えられています。私たちも、おそばをもっと食べていただきたいものです。

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